悪性リンパ腫になってました

日本では少ない古典型ホジキンリンパ腫についてまとめていきたいと思います。

抗がん剤治療中に食べられるもの

抗がん剤治療を始める説明を受けている時に、「治療が始まったら生ものや発酵食品を食べるのは控えてください」と言われます。刺身やサラダが大好きな私としては、悲しい宣告でもあります。

これは抗がん剤治療により白血球(好中球)が下がることで、微生物による感染症発症のリスクが高まるからです。通常であれば人体への影響が少ない微生物でも、免疫力が低下している治療期に体内に入ってしまうと、予期できない影響が起きることがあるのです。ちょっとした食事でも注意を払わないと危険なんですね。

とは言え、具体的に「食べていいもの」と「ダメなもの」の資料を病院からもらえたわけではなく、また看護師さんに相談しても「うちの病院ってそういうのないわねぇ」という状態だったので、この際なんで自力で色々と調べてみました。

免疫機能が低下すると

白血球は細菌やウイルスから体を守る免疫機能を担っています。この白血球は骨髄で作られますが、抗がん剤治療を行うと白血球を作る機能が低下してしまいます。(すべての抗がん剤で低下するわけではありません)

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通常抗がん剤を投与した7日目〜14日目に好中球が減少し、その後また正常値に戻っていきます。抗がん剤治療中のこの時期は特に好中球が少なくなり免疫力が低下するので、感染症感染などに注意が必要です。

ではどうやって自分の好中球の数を知るか…それは血液検査をするしかありません。

その項目に「白血球数(WBC)」と「SEG(分葉核球)」「stab(桿状核球)」があれば簡単に計算できます。

好中球数=白血球数(WBC)×1000×(SEG+stab)/100

好中球の数を計算するサイトもあります。こちら

例)抗がん剤投与が中止となった時の私の数値 WBC=2.8 SEG=12.5 ※stabの項目なし

= 2.8 × 1000 × 12.5 / 100 =350 

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この表にあるとおり、好中球が500を切る「Grade4レベル」はかなりの状態にあたります。抗がん剤治療中いつもこの状態とは限りませんが、好中球の数は普段見えないものなので、日々の血液検査の数値などご自身で管理しておきましょう。

注意しておきたい食材

好中球の数が減少している時期では、普段かからないような感染症を発症するリスクが高まります。感染のリスクを下げるためには、リスクの高い食材は避け、衛生管理が行き届いた環境で調理を行うことが一番です。残念ながら今のところ白血球を増やす働きのある食材はないと言われてます。体の免疫力を高めるためにも栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。

参考までに、好中球が500/μL以下が続いた時の食事例(県立がんセンター新潟病院)を基に作成したものです。

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発酵商品は体にいいと言われるので取り入れたいところですが、上の表ではチーズやヨーグルトが入ってます。私が入院している時の病院食(常食)では普通に出てました(さすがに納豆はでませんでしたが)。

この辺りの判断はケースバイケースの気もしますので、気になる場合は医師に相談するのが一番でしょうね。

私は基本的にこのルールで食事を摂るようにしています。

  • 加熱調理する
  • 作り置きはせず2時間以内で食べきる
  • 野菜と肉・魚のまな板は分ける
  • 生野菜はよく洗う

私は蕎麦が好きなんですが、今は基本的にかけ蕎麦をチョイスしますが、 もり蕎麦を食べる時は、薬味のネギが生野菜になるので付けないようにします。

卵料理も、卵かけご飯はNGだけどカルボナーラ(75℃ 1分以上加熱調理)はOKみたいに自己流工夫をして、極力、「食べられない」という食事のストレスを回避するようにしています。

気をつけたい食中毒

家で調理をする際にどのレベルまで衛生管理を行うか…調理法と併せて気になるところです。私は厚生労働省が出しているサイトの内容を基準としてアレンジしてしています。

食中毒|厚生労働省

調理前の手洗いはもちろんですが、食材はしっかり洗浄して加熱。そして調理器具の取り扱いにも注意を払わなければなりません。

私は、まな板やふきんは調理のたびに、冷蔵庫や冷凍庫の中も定期的にこのハイターで殺菌するようになりました。

キッチンハイターだと希釈する手間もかからないし、スプレータイプなので気になった時にすぐ殺菌できるのがいいですね。

調理については、食材の中心部までしっかり加熱して作り置きをしないことが鉄則です。カレーやおでんなどは二日目が美味しいんですが、ウェルシュ菌など加熱調理後、環境によって増殖する菌は存在します。治療中は、料理を作ったらすぐ食べるようにしましょう。

嗜好品について

担当医に相談したところ、コーヒーや紅茶などカフェインが含まれた飲み物は特に問題はないとのご意見でした。むしろ気分転換になるのならという判断もあったのでしょうが、逆に抗がん剤の副作用からか、味覚障害があったり香りや味の強いものを敬遠してしまう時期もありました。

ただ、アイスコーヒーやアイスティ、フラペチーノのようなコールドタイプは個人的には避けるようにしています。またホイップなど加熱してないトッピングも控えた方が安心かなと思います。

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最後に飲酒に関して。私の体調と治療内容(ホジキンリンパ腫でA+AVD療法)を踏まえた上での担当医の判断は「ビール中瓶くらいは大丈夫じゃない?ただ生ビールはビール酵母が生きてるんだっけ?」というなんともゆるい回答が。ただし過度な飲酒は肝臓やその他臓器に影響も与えますし、アルコールの分解能力には個人差があります。まったく治療に影響がないとは言えないでしょう。また抗がん剤によってはアルコールが禁忌となっているものもあります。

自分で判断するのではなく、必ず担当医に相談してみてください。

 

※このサイトは、ホジキンリンパ腫となった私が個人的に集めた情報の故、かなり限られたものになります。必ず担当の医師や薬剤師にご相談ください。